もしかしたらこれはとても素晴らしいチャンスなのかもしれない。

 本当にありがたい。
 研究所の机を一つ借りられるようになった。
 3月末にもう一度、私のところに来なさい。と、教授が言ってくれた。

 今までろくに話したこともないような生徒なのにね。
 あなたの科目を落としてしまったのは、俺なのに。

 「家にこもってるだけだったら良くないよ。研究室の机一個あげるから、そこに出てきて勉強しなさい」と言ってくれた。本当にありがたい。その優しさが嬉しすぎて、号泣してしまった。
 人前で泣いたのは6年ぶりくらいかもしれない。

「僕も二年間浪人してから医学部に入ったし、講座の四分の一くらいは留年経験者だから理解もあるよ。大丈夫。今はショックでどうしようもないかもしれないけれど、必ずこの期間が報われる時がくるから」と言って下さった。

 本当に感謝してもしきれない。
 俺は甘ちゃんだし、ダメな人だけど、どういうわけなのか友達や恩師には恵まれている。本当にありがたい。
 もしかしたら先生が俺のメンターになる人なのかもしれない。