下流志向
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/01/31
- メディア: 単行本
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内田さんが「なぜ、今の若者は勉強する事、働く事から逃げるのか?」つまり「なぜ、自ら下流を志向するのか」についての考えを述べた本。
内田さん曰く、「労働主体から消費主体」に若者が変化した事が一番大きいという。
昔は家事などで家族に労働力として認められたが、今は家事も楽になり小さな子供のころから紙幣をもって買い物に行く。お店では子供だろうと関係ない。お金が貰えればいいのだから、だから子供でもちゃんとした消費主体として認めてくれる。
こうして消費主体として生まれ育った子供たちは、学問や人生といった無時間モデル(つまり、消費ではお金を出したらほとんどタイムラグなしに商品が受けわたされるようなモデルのこと)で扱えないようなものにまで無時間モデルを導入してしまう。学問や人生において、お金に相当するのは時間である。
だから、私の時間を消費することでその学問から何が手に入るのか? つまり、その学問を勉強することに何の意味があるのか?という問いが可能になるのだ。
賢い消費者は少ないお金でいいものを買う。これを学問にあてはめると少ない時間でたくさんのメリットを引き出す。つまり、できるだけ勉強しないで結果を出すというわけのわからんことになると内田さんは指摘する。
斬新な考えだと思った。てことは、彼女、つまり恋愛に関してもできるだけ少ない時間で大きなメリット(つまり、将来のお金とかセックス)とかを手に入れようとする。それが草食系男子とかにもつながっているのではないかと考えた。
つまり、恋愛は自分がしたことに対して返ってくるものが少ないと考え若者に避けられているのではなかろうか。