正しいとは、一に止まること。

留年して、ようやく自分がどうして医師になりたかったのかを思い出す事ができた。
多分、座学座学の毎日で暴力的な量を暗記するだけの毎日に嫌気がさしてたんだな。って思う。

いま、どうして自分が医師になりたかったのかを思い出した。
母が泣いていたからだ。
母がガンになって、素晴らしい先生との出会いによって完治した。

母は感謝で泣いていた。
家事ができなくて泣いていた。病気になって後悔していた。別に母が悪いわけじゃないのに。
母を支えてくれたような先生になりたかった。

入学した時の気持ちがいつの間にか薄れていた。恥ずかしい。
真面目に出席はしていたけれど、どこか上の空だった。

もう一回、やり直そう。本当に申し訳ないし、一年間遅れてしまうけれど。
名医のもとで修行できるし、この一年間は決して無駄にはならない。

今では留年に感謝している。あれだけ勉強したのに落ちたって事は、落ちるべくして落ちたってことだ。きっと何かのメッセージだろう。