繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史
- 作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/10/22
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ビバ、楽観主義!
悲観主義は無知の産物である。
昔は良かった。今は良くない。未来もきっと暗いだろう。
本当にそうだろうか?
遺伝子組み換えはとてつもない健康被害をもたらし、地球温暖化によって海水面は上昇する?
とんでもない!
人類の歴史を紐解いてみれば、それがどれほどありえない話なのかくらいすぐにわかる。
人類は間違いなく進歩してきた。専門性とアイデアのセックスによって。
インターネットの普及によって、この専門性とアイデアの交配はますます加速度的に進むだろう。
本書を紐解け、歴史が証明しているのだ。合理的な楽観主義に勝るものはないと。
ひとつ、へっぽこ医学生として気になった事。
知識が個人的なものから、集合知へと変わる。それはつまり、どんな人でも狭い範囲に限って言えば専門家を遥かにしのぐ知識を持ち得るということ。
自分の病気についてものすごい勉強をしてきた患者と対面する事もありえる。
そんなとき、医者はどうすれば良いのか。すべての疾患についてかなり専門的な事まで知っておく?
それは個人の負担がでかすぎるだろう。
じゃあ、どうすれば良いのか。
医者も集合知で患者に対抗するしかないのではないか。
具体的にはどんな形になるだろうか。
他の専門医にネット経由で患者さんに説明してもらう?
そんな事で患者さんが納得するだろうか。
おそらく、するだろう。医師のプライドなんて関係ない。個人の権利の拡張にともなって、患者さんの要求はますます増大するだろう。
問題は、どの辺で患者の知りたい欲求と医師の現実的な対応能力が折り合うかって事だろうな。多分。