天冥の標 Ⅰ〜Ⅲ 小川一水
天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 小川一水
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天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 小川一水
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- 作者: 小川一水
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読まなければ良かったのではないかと少しだけ後悔している。
ひどい出来だったからではなく、あまりにも素晴らしい出来だから。
頼むから小川先生、この物語を完結させて下さい。
絶対に死なないで下さい。
虚無回廊のようになったら、私は泣く。
この物語に神は存在しない。神に近いような立場の人物はいるし、行動によって自ら「神性」と呼べるものを手に入れたかに思える女性も登場する。
(どちらかといえば、仏性か)
しかし、神そのものは存在しない。(少なくとも三巻目までの時点では)
なのに、なぜだか大いなる存在を感じてしまう。
それは神と言えるのかもしれないし、なんだが大きな、とにかく大きな存在のことなのかもしれない。
小松左京の虚無回廊を想起したのも、そのせいなのかもしれない。
ちなみに私は無神論者だが、なぜかは知らないが尊いものの存在を感じた。
なぜかヴォネガットの
神よ願わくばわたしに
変えることのできない物事を
受け入れる落ち着きと
変えることのできる物事を
変える勇気と
その違いを常に見分ける知恵とを
さずけたまえ
という一節を思い出したりした。なぜかはわからない。
全く違う作風なのに。
この物語は全10章で綴られる予定である。
現在、第六章の第一部まで出版されている。
頼むから完結させて欲しい。
次巻を読むか、楽しみとっておくかこれほど悩む小説は久しぶりだ。