天冥の標 Ⅰ〜Ⅲ 小川一水

天冥の標 2 救世群 (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標 2 救世群 (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標 3 アウレーリア一統 (ハヤカワ文庫 JA)

天冥の標 3 アウレーリア一統 (ハヤカワ文庫 JA)

読まなければ良かったのではないかと少しだけ後悔している。

ひどい出来だったからではなく、あまりにも素晴らしい出来だから。


頼むから小川先生、この物語を完結させて下さい。
絶対に死なないで下さい。

虚無回廊のようになったら、私は泣く。



この物語に神は存在しない。神に近いような立場の人物はいるし、行動によって自ら「神性」と呼べるものを手に入れたかに思える女性も登場する。
(どちらかといえば、仏性か)

しかし、神そのものは存在しない。(少なくとも三巻目までの時点では)

なのに、なぜだか大いなる存在を感じてしまう。
それは神と言えるのかもしれないし、なんだが大きな、とにかく大きな存在のことなのかもしれない。

小松左京の虚無回廊を想起したのも、そのせいなのかもしれない。

ちなみに私は無神論者だが、なぜかは知らないが尊いものの存在を感じた。


なぜかヴォネガット

神よ願わくばわたしに

変えることのできない物事を
 
受け入れる落ち着きと
 
変えることのできる物事を
 
変える勇気と
 
その違いを常に見分ける知恵とを
 
さずけたまえ

という一節を思い出したりした。なぜかはわからない。


全く違う作風なのに。






この物語は全10章で綴られる予定である。
現在、第六章の第一部まで出版されている。


頼むから完結させて欲しい。

次巻を読むか、楽しみとっておくかこれほど悩む小説は久しぶりだ。