無力感は狂いのはじまり 「狂い」の構造2
- 作者: 春日武彦,平山夢明
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2010/09/01
- メディア: 新書
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放談集、二冊目。
一冊目に比べたら、インパクトは弱い。やりとりが、パターン化しつつある。
下衆な話を面白がる雰囲気とか、変な人とかキチガイを「治そう」とか考えないで、淡々と治療が必要だから治療する、治るかどうかは本人次第、という春日先生のスタンスは良いなぁと感じた。
春日先生も、若いころは情熱に燃えていたらしいけど、結局、普通じゃないから、こっちであれこれ考えるだけ無駄、と結論したらしい。
まぁ、じゃなきゃ治療者側がメンタルやられるだろうな。
精神科医でなければ、「変な人」とは無理してまで付き合わないのが、1番とのこと。
まぁ、そうだろうなぁ。
変に手を出して共依存とかになって、共倒れになったらやってられんね。
あと、アル中の親父に暴力振るわれて「将来、絶対にアルコールなんて飲むか!」と思っても
結局自分もアル中になっちゃうのは何故なのか?
という話に、「トラウマを擬人化して、そいつを倒さないとまともになれないと心のどこかで思ってるフシがある」ってのが、オモロイ。
アル中になりたくなきゃ、「アルコールをさける」のが1番なんだけど、それをやると「アルコールから、逃げているようで嫌だ」となるらしい。対決しなくては気が済まないと、どっかで思っているようだ。
本当に思っているかは、わからないが、少なくとも外からはそう見える。
ストーカーも同じ。別に新しく好きな人を見つければ良いのに、「フラれたあいつに負けたようで嫌だ。あいつの恋愛をめちゃくちゃにしたら、俺の勝ちになる」という異常な思考に陥る。
昔の恋愛に異常な角度から対決を挑んでいるようにしか思えない。
変だと思っていても、意外とわからないもんなんだなぁ。外から見れば、絶対変なのに。自分では気づかない。
「お前変だよ」と言ってくれる存在というのは、本当に有難いもんなんだな。