理性の限界

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

序章 理性の限界とは何か
第1章 選択の限界
投票のパラドックス/アロウの不可能性定理
囚人のジレンマ/合理的選択の限界と可能性
第2章 科学の限界
科学とは何か/ハイゼンベルクの不確定性原理
EPRパラドックス/科学的認識の限界と可能性
第3章 知識の限界
ぬきうちテストのパラドックス/ゲーテルの不完全性定理
認知論理システム/論理的思考の限界と可能性

 どんなに投票方法を工夫したとしても、完璧な投票方法なんてない。投票方法を決める時点で、既に完璧な投票は不可能になる。

 という話で、アロウの不可能性定理を説明したり。


 ハイゼンベルグ不確定性原理量子論の実験とからめて説明したり、時に科学、時に哲学、時にロマン主義、時にカント原理主義と、あっちにいったり、こっちにいったりと大変忙しいのに、非常に読みやすくわかりやすい。



 擬似シンポジウムに様々な人物を登場させることで、まるで小説を読んでいるかのように、すいすい読める。

 
 後、二冊シリーズが出ているらしい。

 にしても、哲学はわからんことばっかりだなぁ。