予防接種は効くのか?
予防接種は「効く」のか? ワクチン嫌いを考える (光文社新書)
- 作者: 岩田健太郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/12/16
- メディア: 新書
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はじめに 1章 ワクチンをめぐる、日本のお寒い現状 2章 ワクチンとは「あいまいな事象」である 3章 感染症とワクチンの日本史......戦後の突貫工事 4章 京都と島根のジフテリア事件......ワクチン禍を振り返る 5章 アメリカにおける「アメリカ的でない」予防接種制度に学ぶ 6章 1976年の豚インフルエンザ......アメリカの手痛い失敗 7章 ポリオ生ワクチン緊急輸入という英断......日本の成功例 8章 「副作用」とは何なのか? 9章 「インフルエンザワクチン」は効かないのか? ......前橋レポートを再読する 10章 ワクチン嫌いにつける薬 あとがき
この間、『僕の小規模な生活』を読んでいたら、「子供にワクチンを打つか、打たないかでネット上ですごい議論になっている。
というシーンがあったが、それを思い出した。
ワクチン反対派は「副作用が怖いし、めったに感染なんかしないんだから、ワクチンなんて打つだけ無駄。金もかかるし」
ワクチン賛成派は「ワクチンは確かに効果がある。感染してから後悔しても遅い」みたいな感じ。
で、本書の著者の立場はどうかというと「はっきり、反対とも言えないし、賛成とも言えない。打ちたくない人を無理に打たせるように強制したいとも思わない」というもの。
ただし、「ワクチンは、一人ひとりの個人にとってほとんど役にたたないものだが、多くの人が接種することで、社会全体には必ずプラスに働く」という事実を、淡々と述べる。
反対、賛成の、どっちとも言えない立場をとる著者だが「そもそもワクチン問題にしても、社会の問題の多くにしても白か黒かはっきりさせられるものなど、ほとんどない」と説く。
実際、著者の主張が正しいかどうかはわからないし、科学的な議論なので著者の主張を「信じる」、「信じない」という宗教的なもんでもないと思う。
が、感染症学の教授が、「ワクチン万歳!!!!」としてないだけ、えらいなぁと感じた。