反知的独占

〈反〉知的独占 ―特許と著作権の経済学

〈反〉知的独占 ―特許と著作権の経済学

第1章 はじめに

第2章 競争下での創造
・ソフトウェア
・著作権保護作品―─本、ニュース、映画、音楽

第3章 競争下のイノベーション
・特許のない世界
・産業革命と蒸気機関
・農業
・スペインの野菜とイタリアのセーター
・金融市場
・デザイン
・スポーツ
・特許なしの利益
・特許プール

第4章 知的独占の害
・特許のコスト
・進歩を白紙に戻す

第5章 著作権延長問題
・永遠に続く著作権
・音楽の経済学
・デジタルミレニアム著作権法
・表現の自由
・政策ミスから大失策へ──暗号化の義務づけ
・レントシーキングと税

第6章 競争のしくみ
・アイデアの木の果実
・固定費と競争
・分割不可能性
・協働の利点
・先行者優位
・価値が不確かなアイデア
・模倣の社会的価値

第7章 知的独占の擁護論
・私有財産と公共財
・知的独占を支持する経済的議論
・模倣の外部性
・価格のつかないスピルオーバーを定量化する
・秘密と特許
・シュンペーター派のいう良い独占
・アイデア経済
・グローバル経済
・パブリックドメインとコモンズ

第8章 知的独占はイノベーションを増加させるか?
・一八世紀の著作権と音楽
・一九世紀の特許とイノベーション
・二〇世紀の知的財産とイノベーション
・同時発見

第9章 医薬品産業
・世界一やさしい医薬品特許の歴史
・特許なしの化学物質
・特許なしの薬
・今日の医薬品産業
・有益な薬はどこからくるのか
・ではトレードオフはどのくらい大きいのだろうか?
・新薬開発コストを考え直す
・究極のウィルス

第10章 悪しきもの、良きもの、醜きもの
・悪しきもの
・良きもの
・醜悪なるもの

訳者解説
参考文献
索引


訳者あとがきを読んでから、本編を読むことをおすすめしたい。


 私がアホなせいもあると思うが、いかにも学術書という記述で、しかも訳が固いせいで、読みにくい。
 経済学の知識がないと、「この言葉の意味なに?」ってなる部分がちらほらと。


 訳者あとがきは、小難しい経済学の用語などは出てこず、本書の内容をざっくりとだがまとめているので、本書の全体像がつかめる。




 さて、本書の内容は「私的財産の独占は構わない。でも、知的財産権著作権イノベーションを促進するってみんな当然のように言ってるけど、それは違うよね?」というもの。



 ただ、「反」知的独占というくらいで、本当に「反」の事例ばっかり並べられているものだから「どことなく極論」の匂いがする。


 でも、現在の知的独占は行き過ぎだと思う。違法ダウンロード禁止法とか、アホですかと。


 知的財産権や、特許などがなくても、イノベーターは十分な報酬を手にいれられるし、他人のアイデアを利用するのにいちいちお金を出さなくていいので、イノベーションに拍車がかかる。
 

 本当だったら、素晴らしいことだ。