援助者必携 はじめての精神科
- 作者: 春日武彦
- 出版社/メーカー: 医学書院
- 発売日: 2011/12/01
- メディア: 単行本
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1 手を出す前に考えておくこと(基本の基本を検討する 家族と地域に関するいくつかの事柄 ほか) 2 かれらの苦しみ―病気は何をもたらすか(統合失調症 うつ病 ほか) 3 わたしたちの困難―だから精神科はむずかしい(恨まれる、ということ 我々自身の怒り、悔しさ、不快感 ほか) 4 電話相談―受話器を片手にして「できること」と「できないこと」(鼻白んだ経験 無防備な立場 ほか) 5 Q&A―いざというとき役立つテクニック集(患者さんと話す 妄想を聞いてもいい? ほか)
精神科医を志す人、必読。
こういう本こそ、必要だと思う。
本書は極端に現実的な本である。
教科書的な、「お行儀の良い」知識でもなければ、どこぞの熱血正義漢が書いた、うざったい精神論でもない。
精神科医として、長年誠実に患者と向き合ってきた医療者が持つ「治療者や家族が疲れずに、できるだけ効果的に治療をするための、現場の知恵」が書いてある。
キレイ事ではなく、あくまで現実的に「これなら出来そう!」ということが書いてあるわけです。
精神科において、誠実であることと、「熱血」であることは必ずしもイコールではない。
プロたるもの「親切おばさん」では行けない。退くところは退き、突き放すところは突き放す。
そういう姿勢が大切だと教えてくれる本はなかなかないね。
以下、気になったところメモ。
「自殺します」と言われた時にかける言葉に正解がないことを知るのが、正解であること。(覚悟を決めること)。
患者のストーリーを否定もせず、肯定もせず、患者の感情を肯定すること。
必要なら嘘をつくくらいの、度胸を持たないと精神科医はやってられないこと。
同情や、親切では続かない。狂気に対する、職業的な好奇心が湧くようでないと疲れてしまう。
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