クラインの壺

クラインの壺 (講談社文庫)

クラインの壺 (講談社文庫)

いやぁ、メモリが12Mとか書いてあったから、いつの時代かと思ったら、初版は89年ですか。


しかし、内容は古びないねぇ。



バーチャルリアリティというガジェットが、近年現実味を帯びてきているってのもあるんだろうけど、それよりもこの小説の魅力は


圧倒的な、描写力。



現実とバーチャルリアリティ上の虚構がいつの間にか、つながって、混線していく様を描いているんだが。

これを文章で表現できるってのが、はー、なんつーか、作者の力量だねぇー。



平易で読みやすい文章で、ここまで現実と虚構の境目をなくせるってのは恐れ入る。



筒井さんの超虚構の作品群と似通った魅力がありました。