セキュリティはなぜやぶられたのか ブルース・シュナイアー

セキュリティはなぜやぶられたのか

セキュリティはなぜやぶられたのか

目次

第一部 賢明なセキュリティ
第1章 トレードオフのないセキュリティはない
第2章 トレードオフは主観的である
第3章 力関係と思惑がセキュリティトレードオフを左右する

第二部 セキュリティの仕組み
第4章 システムに機能不全はつきもの
第5章 敵を知る
第6章 攻撃者は楽器をかえても曲はかえない
第7章 技術がセキュリティのバランスをくずす
第8章 セキュリティとは最弱点問題である
第9章 剛性はセキュリティを低くする
第10章 セキュリティの中心は人である
第11章 防止できないものは検出する
第12章 対応のない検出に意味はない
第13章 識別、認証、許可
第14章 価値のない対策はないが完璧な対策もない
第15章 テロリズムとの戦い

第三部 セキュリティというゲームの戦い方
第16章 セキュリティに関する交渉
第17章 セキュリティのベールをはがす

あとがき
謝辞
訳者あとがき
索引






飛行機の搭乗検査の長蛇の列を見て
「あぁ、しっかりとテロ対策が行われてるなぁ。安心、安心」と思ったことのある人、必読。


目からウロコの話だらけ。

例えば搭乗検査の長蛇の列。

「乗客の安全を確保」するのが目的なはず。

そのための各種検査。 もちろんコストもかかっている。

爆弾テロをやりたい犯人は、飛行機を爆破しないで、検査待ちの長蛇の列を爆破すれば良いだけ。


⇒脅威の場所が移動しているだけで、効果的なセキュリティ対策になっていない


こういう「一見、良さげだけどほとんど意味のないセキュリティ対策」がたくさんある。


じゃあ、こういう残念なセキュリティにならないためにどうするか。



効果的なセキュリティ対策には

ステップ1・守るべき資産はなにか

ステップ2・その資産はどのようなリスクにさらされているか

ステップ3・セキュリティ対策によって、リスクはどれだけ低下するのか

ステップ4・セキュリティ対策によって、どのようなリスクがもたらされるか

ステップ5・対策にはどれほどのコストとどのようなトレードオフが付随するか

という5ステップが重要。




本書の内容は、どれも役に立つ素晴らしいものだったけど、翻訳がイマイチ。

読みにくい部分が多々あって眠くなった。