タウ・ゼロ

タウ・ゼロ (創元SF文庫)

タウ・ゼロ (創元SF文庫)

減速装置が壊れて、光速にだんだん近づいていく宇宙船。

特殊相対性理論によって、ついに地球が消滅してしまっても、宇宙船での生活は続く。



選りぬきの科学者や人格者が集められた宇宙船なのに、だんだんと乗組員が狂っていく様が淡々と描かれている。


混乱した状況で効果をあげるのは暴力や脅しだけれど、その効果は一時的なものにすぎず、長期的な視点に立つとやっぱり希望って大事だよね。

というお話。


護衛艦レイモントが、めちゃくちゃマッチョで、有無をいわせぬ態度を貫き、最後には実質的なリーダーになっていくが、実は誰よりも人の弱みを知る、優しい人間だとわかるくだり、良いですな。






乗組員一人一人の性格や生い立ちについてもしっかり描かれていて良かった。


ポール・アンダースン】【浦島効果】【なにかをしていることで、気がまぎれる】