レ・ミゼラブル

観てきました。


前半はまぁまぁ。が、後半で「?」となった。


以下、ネタばれあり。


疑問は、どうして「マリウスは許されたの?」ということ。


ジャンバルジャンは、パン盗んだだけで5年の懲役。ジャべールは、法のありかたと罰のありかたに悩みぬいて投身自殺する。


で、どうして、体制にはむかったマリウスだけはのほほんと、生きながらえてコゼットと結婚して、HAPPY\(^o^)/
なんだろう。おかしいだろ。


体制にはむかった学生達のほとんどは官兵にぶち殺されて、ちっさな男の子まで銃で撃たれて死んだ。そりゃ、反逆罪だから、まぁ仕方ないと思う。子ども殺すのはどうかと思うけど。


マリウスはその反逆のリーダー格だったから、すくなくとも牢にぶち込まれるくらいあっておかしくないのに、なぜのほほんと新婚生活してるんだろ。



祖父が権力者だから金の力で解決したんだろうか。でも、マリウス、「実家から仕送りは受けてない。縁は切った」みたいなこと言ってたけどなぁ。


で、祖父が再三にわたって止めろと言っていた、革命運動に参加してそれであっさり祖父に許されるもんなんだろうか。謎すぎる。


しかも、革命運動に参加する前に「愛するコゼットをとるか、革命をとるか?」みたいな感じで長々と歌ってたし。あの歌はなんだったん? 死や投獄を覚悟するくだりだと思ってたんだけど。


 革命運動に参加すると決めた時点で、死か、すくなくとも何年かの投獄は覚悟していたと思ったんだけどなぁ。
「こっちくるなら爆発させたるで!」のシーンで間違いなく、複数の官兵に顔見られとるし。言い逃れできんはずだし、謎。
 大体、いたいけな子どもをブチ殺すような体制が、革命側のリーダーを放っておくかね? よっぽど金詰んだんだろうか。


「金の力でどんなことでも正当化される」というんだったら、ジャンバル・ジャンの一生はなんだったん?

 愛するコゼットのために、好きでもない男に抱かれたファンティーヌの気持ちはなんだったん?

 彼女はわずかばかりの金を得るために、恥辱に耐えたんだよ?

 マリウスのために死んだエポニーヌはなんだったん?


 
 
 なんかマリウスが許されてしまうんだったら、何もかもぶち壊しだと思うんだが。

 
 わずかな罪に対して過剰な罰を与えられ、人生を恨み、荒んだ、ジャンバルジャンが信仰に出会って生まれ変わる。

 ジャベールは、どこまでも法に厳格だったが、ジャンバルジャンの生き様を見て、法も万能でないと知り、自己との葛藤の末、死を選ぶ。

 
 一方、体制に反逆するという大罪を犯した、マリウスは一切お咎めなし。理解できない。
 革命の動機自体は貧者救済で立派だけど、結局体制側のお祖父様に助けられたとしたら、そりゃぁ、もう自己矛盾だらけだろ。
 
 



 あぁ、無情。

 
 昔、原作読んで大号泣した記憶があるだけに、今回の映画は自己矛盾たっぷりで、わけわからんかった。こんな感じの話だったかな。


 原作、読み返そう。もやもやするわ。


 あと、やっぱりずっと歌いっぱなしは変だと思った。そんなにみんな歌上手いわけでもないし、ずっとドアップで歌われると正直萎える。
 ずっと、これでもか! って感じで歌われるから、全く緩急がなくてダレまくる。
 
 時間経つのがかなりゆっくりに感じた。

 全体的に駄作。ミュージカル映画としても、「レ・ミゼラブル」の映画化としても。