脳の情報を読み解く BMIが開く未来
- 作者: 川人光男
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/08/10
- メディア: 単行本
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目次
序章 未来の情報通信 一章 BMIが開く未来 二章 脳の働きと人工感覚器 三章 BMIを実現させた技術 四章 神経科学が変わる 五章 超能力とBMI 六章 倫理四原則 七章 BMIにつながるまでの道のり。
こういう興奮する本が読みたかった。
最高としか言えない。SF好きの俺、歓喜。
BMIはブレイン・マシン・インターフェースという名前の通り、人間の脳みそと機械(マシン)をつなげるものだ。
実際にどんなことが実現しているのかというと、
頭の中で動きをイメージしただけで、ASIMOを動かす!
ジャンケンしている人間の脳をスキャンして、離れたロボットにジャンケンの動作を再現する。
脳をスキャンしたデータから、その人がどんな模様を見ていたかあてる!
などなど。
これでも十分に興奮するんだけど、BMIのなによりも素敵なところは分子生物学におけるDNAの塩基配列のように、BMIが神経科学のサイエンスとしての側面も変化させる可能性があるということ。
仮説や相関関係のみからなる、あいまいな状態から抜け出し、より厳密科学に近づく可能性があると筆者は指摘する。
なぜそうなるかは、長いので本書を読んでもらうしか無い。
あと、いつまでたっても政府がろくに研究資金を少ししかよこさないことに対応するために、オープンソース的な考え方を取り入れている点も素敵だと感じた。
さらにさらに、油圧式ロボットへの愛とか、脳の情報処理の流れとか、細かいところや専門的なところまで記述しているくせに、死ぬほど読みやすい!
ただ、ろくな研究してないのにメディア露出だけは多い、脳文化人(茂木健一郎あたり?)を皮肉っているけれど、科学啓蒙者としての彼らは一定の評価されてもいいような気もする。
でも、全体的に見てとにかく最高です。本当にありがとうございますた。
以上。
【油圧式ロボット】【厳密科学】【スパース・ロジスティック・リグレッション】【越境】【神経科学】【脳プロ】【ASIMO】【情報工学】【アルゴリズム】【脳文化人】
参考
http://brainprogram.mext.go.jp
http://brainprogram.mext.go.jp/missionA/
http://brainprogram.mext.go.jp/missionB/