人と芸術とアンドロイド

  

プロローグ

第1章 アートの街のジェミノイド

メディアアートの街/アルスエレクトロニカセンター
ジェミノイドとは何か/カフェのジェミノイド/人々の反応
人間とロボットは見分けられるか/ジェミノイドが街を行く

第2章 ジェミノイドを作ってわかったこと──人々の疑問に答える

「なぜ自分そっくりのアンドロイドを作ったのか?」
「ジェミノイドを見て自分自身はどう感じるのか?」
「人間についてどんな発見があったか?」
「自分の生活に影響があったか?」
「なぜアルスエレクトロニカにきたのか?」
「オーストリア人と日本人の反応は違うか?」
「ジェミノイドはいつ自立型になるのか?」
「ロボットと人間の区別がつかなくなる日はくるか?」
「ロボットはいつか人間と完全に同じになるか?」
「ジェミノイドは人間の進化か?」
「ロボットは人間のような権利をもつか?」
「ジェミノイドにはどのような利用方法があるか?」
「ジェミノイドは社会に悪影響を与えるか?」
「軍事利用を考えたことがあるか?」
「ジェミノイドは哲学にどのような影響を与えるか?」
「先生は気持ち悪い」

第3章 人間らしさを作り出す

子供アンドロイドの開発/子供の型をとる/皮膚と内部メカを作る
アンドロイドに子供を会わせる/研究室のアンドロイド
女性アンドロイドを作る/人間らしい動きを作る/ロボットは芸術になる
対話のできるロボット/目を変えると別人に

第4章 人間以上のロボット、最低限の人間

自分自身がアンドロイドに/内部のメカニズム/皮膚を装着する
ジェミノイドの死/アンドロイドは人間を超える
女優になったアンドロイド/最低限の人間とは何か
「ゆらぎ」と生体の動き/芸術とゆらぎ/学習するロボット

第5章 社会を変えるロボット・メディア

進歩するメディア/人と関わるロボット「ロボビー」
遠隔操作で人をつなぐ「ワカマル」/無口な人がおしゃべりに
ロボットの体に適応する/病院で働く簡易ジェミノイド
テレノイドとエルフォイド

第6章 「私」は人か、ロボットか

『サロゲート』の世界/携帯電話の次にくるメディア/移行するアイデンティティ
どちらが「私」なのか?/想像力を超える技術/更新される人間の定義
ジェミノイドが引き出す人間の可能性

第7章 作ることと生きること

鏡としての他人とロボット/分散する心/何かを作ることの意味
「自分を知りたい」欲求の源/人間とロボットの性/役割と存在価値
人を好きになること/裸の私はどこにいる?

第8章 融け合う芸術と技術

目的を探りながら進む開発/同時進行する開発と人間理解
ロボット研究は分野を超える/芸術家としてものを作る/日本人と芸術・技術
芸術はどこから生まれるか/人間の情動と社会性
新しいコンセプトを生み出すために

エピローグ

 技術は再現可能な芸術かも知れない。


 本書に書かれている未来は、もうまもなく来るだろう。

 それにしても、ジェミノイドの死の不気味さは半端ない。